見積もりを見て、何にいくらかかっているかわかりますか?
専門用語が多くわかりにくいですよね。
「でも、なんとなくわかっているから大丈夫」と思っていませんか?
見積もりに記載されている項目がそれぞれ「何についての費用」なのかをしっかり理解していないと、不当な請求に気が付かないので注意が必要ですよ。
また解体工事を少しでも安くする上手な値引き方法も伝授します。
目次
解体見積もりには数多くの項目がありますが、混乱しないように一つずつ見ていきましょう。
基本分類として「建物解体費」「廃棄物処理費」「付帯工事費」「諸費用」の4つの項目に分けられます。
基本分類 | 項目 |
---|---|
建物解体 | 本体解体費、人件費など |
廃棄物処理 | 本体解体費、廃棄物処理費用、人件費など |
付帯工事費 | 足場養生費、浄化槽撤去、外構部解体費、整地費、人件費など |
諸費用 | 重機回送費、届出費、駐車場代、近隣挨拶費、人件費、警備員費用など |
4項目からさらに分岐して、より細かい項目にわけることができます。
次は解体見積もりの基本の項目を見ていきましょう。
名称の違いが多少はありますがこの基本項目を抑えれば安心ですよ。
項目 | 内容 |
---|---|
本体解体費 | 本体解体費、廃棄物処理費 |
廃棄物処理費用 | 本体解体以外の産業廃棄物の処理にかかる費用 |
足場養生費 | 足場の組み立て、建物を覆う養生の設置にかかる費用 |
重機回送費 | 重機の運搬の費用 |
届出費 | 解体における必要な手続きをする事務費 |
近隣挨拶費 | 近隣住民への挨拶にかかる費用 |
整地費 | 建物解体後の整地費(整地する具合で料金が変わる) |
以上がほとんどの建物解体にかかる費用の項目ですが、建物によってはさらに追加の項目があります。
解体したい建物に該当する項目があればチェックしてくださいね。
追加項目 | 内容 |
---|---|
浄化槽 | 浄化槽の撤去 |
外構部解体 | フェンス、ブロック塀、土間コンの駐車場、植栽の伐採など |
警備員費用 | 交通整備をする必要がある場合など |
アスベスト除去 | アスベスト使用の建物の特殊な解体・廃棄物処理費など |
追加項目のおおよそは上記の通りです。
解体する建物によっては確認する項目は増えますが、4つの分類でいうとほとんどが「付帯工事費」の部類です。
こちらの追加項目はですが、「外構部解体費」とまとめて記載がされる場合と、「フェンス撤去」や「植栽の伐採」など詳しく記載がある場合があるのでよく確認してくださいね。
「解体費一式」とまとめて費用を提示されると、シンプルでわかりやすいなと思いがちですが、「何にいくら」なのかが全くわからないので絶対にNGです。
解体工事は、外構工事とは違い「デザイン性」などの専門性がないため、悪徳業者に騙されない限りは、どの業者に解体を任せても大丈夫です。
しかし、価格の面では業者によって「解体の単価」が変わるので相見積もりをとり、比較をすることをおすすめします。
基本的に一戸建ての解体では2~3割の金額の差はでます。
相見積もりをとらないと、その価格が「安い」のか「高い」のかがわかりません。
まずは「総額」を比較しましょう。
また、業者も相見積もりに対しての理解はあるので、最初から「相見積もりで比較したい」と伝えると業者から値引きの提案をされることもあるので先に伝えておくとよいでしょう。
項目ごとに見積もりを比較しましょう。
業者により「他より安い項目」や「他より高い項目」がありますが、それは業者によって解体の「得意不得意」があるからです。
他よりも安く工事ができる理由を問い合わせてみましょう。
相見積もりをした際に、どの業者よりも特出して安い見積もりを提示してくる業者は、必要な経費を削減するような違法性がある場合や、不正追加請求で解体総額が当初の見積もりの倍以上も請求してくることがあるので要注意です。
なぜ他業者よりも安く解体工事ができるのか、それは合法的な安さなのか、違法性がある安さなのかは見積もりの項目を確認してしっかりと見極めましょう。
大雑把に「安くしてください」と交渉するよりも「この項目が高いと思うのでもう少し安くしてください」と交渉する方が根拠のある交渉ですね。
例えば、「事務手数料が他の見積もりより10万円も高い」のであれば、「他の業者はこのくらなのになぜこんなに高いのか?安くできないか?」という交渉が可能です。
ビル専門の解体業者に戸建て住宅の解体をしてもらうのではなく、住宅専門の業者に依頼する方が安くできるでしょう。
相見積もりをした際に、他よりも高い見積もりを出してくる業者はもしかしたら、その分野について得意ではないのかもしれません。
得意ではないということは「実績が少ない」ということで、業者側は会社の利益に影響がでないように、実績が少ないうちは多めの予算を取りたいのです。
そこで、業者に「見積もり額はもう少し安くてもよさそうですよ!」という根拠として、相見積もりの「実績が多い他業者の見積額」を提示しましょう。
業者側も「それくらいの予算で大丈夫なんだな」とわかり、見積もり金額の見直しをしてくれるでしょう。
見積もりの詳細項目で「どの部分の解体」に「いくらかかるのか」がわかりますね。
建物によって解体工事にかかる費用が違うので一般的な相場はあてにせず、相見積もりで比較してくださいね。
値引き交渉はいかに「根拠のある交渉」ができるかがコツですから、「なぜ高いのか、なぜ安いのか」はしっかり確認をしましょう。
しかし、安心して業者に任せるのに重要なのは「建物と業者の相性」ですから、値段の安さにとらわれすぎないように、ご自身でしっかり見極めましょう。