産業廃棄物収取運搬業において、マニフェストの作成は必須です。
マニフェストとはなにか?作られた目的をご紹介します。
目次
マニフェストとは、産業廃棄物の処理工程を正確に記し、管理する制度のことです。
産業廃棄物は、排出業者が責任をもって処理しなくてはなりませんが、規定に則れば、産業廃棄物処理業の許可を持つ処理業者に委託することができます。
委託する場合は、排出業者は産業廃棄物が「いつ」「どこで」「どのように」処理されたのかを最後まで確認することが義務付けられています。
マニフェスト伝票によって、その管理ができるようになります。
マニフェスト伝票は、排出業者および処理業者それぞれで5年間の保管が義務付けられていて、不法投棄などがあった場合に処理ルートを調べる重要な手がかりになります。
マニフェストには大きく分けて3つの目的があります。
マニフェストの目的は、処理方法を厳格に管理することです。
リサイクル法では廃棄物の種類ごとに明確に処理方法が決められています。
その処理方法が正確になされているのかチェックする目的です。
排出元のA業者が排出した廃棄物を、産廃業者であるB業者が運搬し、中間処理場であるC業者が処理場で中間処理をします。
C業者で中間処理をされた廃棄物を産廃業者であるD業者が、最終処分場であるE業者に運び最終処分をします。
それぞれの業者が伝票で報告することで正しく処理できたのかをA業者が確認できるしくみになっています。
この一連の報告がマニフェストです。
マニフェストは廃棄物とともに各業者に届けられ、記入されていきます。
マニフェストは正確に処理された証明になります。
昨今で問題になっているごみの不法投棄の多くはマニフェストが未作成のケースが多いです。
マニフェストの作成により、廃棄物の不法投棄を防止している役割もあります。
不法投棄は、投棄した業者だけではなく、依頼主までもが責任を問われることもある重大な違法行為なのです。
さらに産業廃棄物には放置すると有害物質を排出してしまうようなものもあり、適切な処理をしないことが環境汚染に直接関係してしまうのです。
産業廃棄物の中には恐ろしく危険なものがあります。
処理の方法を間違えると有毒ガスを発生させてしまったり、その廃棄物自体が人体に有害なものもあります。
マニフェスト制度があるおかげで、そのような不正な処理を防止することができます。
専門的な知識や設備が必要なので、それなりの費用がかかります。
なかには適切な処理をせずに費用を安く済ませようとする業者がいます。
そのような業者はマニフェストが作成できないので、マニフェストは適切な処理をしている証明にもなりますよ。